ユニセフシンポジウム「レジリエントな社会を、子どもたちと」開催しました
2015年03月14日
ユニセフシンポジウム「レジリエントな社会を、子どもたちと」
〜東日本大震災の経験を“次”への備えに〜
世界で頻発する自然災害の被災者の5〜6割は子どもたちです。一瞬にして日常を奪われた子どもたちに、子どもらしく過ごせる時間を取り戻せる「居場所」を提供し、子どもの日常に欠かせない「遊び」を通じて心のケアを提供するといった、ユニセフが長年にわたって世界中の支援の現場で培ってきた知見は、東日本大震災被災地での活動のみならず、近い将来発生が予測されている大震災への備えにも生かされはじめています。
3月14日より5日間、仙台市で開催される第3回国連世界防災会議の最大のテーマの一つは、「災害被害を最小限にするための“レジリエント”(Resilient=迅速でしなやかな回復力のある)な社会づくり」。ユニセフは、「防災や復興への取り組みの中で、世界の自然災害の被害者の半数以上を占める子どもたちをどう守るかという視点を持つ」ことと、「子どもたち自身をその社会づくりの“主役”の一人として位置付ける」ことの重要性を訴えました。日本ユニセフ協会・岩手県ユニセフ協会・宮城県ユニセフ協会・福島県ユニセフ協会は、国連防災世界会議の公式一般公開イベント(パブリック・フォーラム)として開催するユニセフシンポジウムや関連イベントを通じて、“子どもの視点での復興と防災”の取り組みの必要性を訴えました。
ユニセフシンポジウム「レジリエントな社会を、子どもたちと」が、3月14日(土)午後に東京エレクトロンホール宮城で開催され、県内だけでなく全国各地からおいでいただき、700名が参加しました。ユニセフ本部のエドワード・チャイバン事業局長や東日本大震災の被災地の現場で活動する各分野の専門家を迎え、「遊び」、「居場所」、「参加」をキーワードに、子どもに視点を置いた復興や防災のあり方がディスカッションされました。コーディネーターは日本ユニセフ協会アグネス・チャン大使。相馬市立飯豊小学校の子どもたちから「私たちが考える防災」が発表されました。隣の定禅寺ギャラリーでは、スマトラ沖地震で被災したバンダ・アチェを10年後の昨年末に訪れた『長谷部誠選手が見た、感じた“レジリエンス”』写真展や仙台市立七郷小学校の児童が制作した模型『未来のまち・七郷』、1000年後の命を守るために建立された女川『いのちの石碑』(展示は実物大パネル)、東北3県を走り回る『プレーカー』なども展示されました。女川中学校の生徒たち(今は高校生)は、取り組みの想いを話し、アグネス大使はじめギャラリーに集まった人々に感動を与えました。
国連防災世界会議パブリックフォーラム
エドワード・チャイバン事業局長
東京エレクトロンホール宮城の大ホール