3.11から6年 『みんなのこと、忘れないよ!〜あの時のこと、これからのこと』
2017年02月25日
2月25日(土)、日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)研修室において、学校法人やました学園 ふじ幼稚園園長の鈴木信子さんをお迎えして講演会を開催し、60人が参加しました。主催:宮城県ユニセフ協会
2011年3月11日は、午前中に卒園式の予行練習を行い、午後は仙台に出張して園を不在にした時に震災の津波が押し寄せ、海から1.7キロ離れたふじ幼稚園では園児8人と職員1人が犠牲になりました。直後は園の再開など考えられなかったそうですが、転園した園児や保護者の思いに応え、2011年8月に真庭区民会館を間借りして再開。2012年8月に日本ユニセフ協会の支援で6号線沿線に園舎を再建し、現在120人を保育しています。
園長先生は毎日、旧園舎を訪れ亡くなった子どもたちと会い、現在の園舎に向かいます。机にはいつも子どもたちの写真が飾られ、講演会当日もいっしょでした。あの日から今日までのさまざまな葛藤のこと、園の再開後の防災訓練に重点を置いていること、亡くなった園児への思いを歌にするなど防災啓発に取り組んでいます。この日は歌を作った高橋ひろみさんと教務主任の鈴木ふじえさんといっしょに、手話を交えた「ひまわりおやくそく」(作詞:高橋光晴・高橋ひろみ、作曲:鈴木信子)を歌っていただきました。絵本「ぴよちゃんとひまわり」の朗読もありました。
「子どもたちはもっとお母さんに甘えたかった、お母さんはもっともっと抱きしめたかったはず。守れなかった現実をしっかり受け止め、今やるべきことを一生懸命やって一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。」あの日、幼稚園にいた子どもたちは今、小学校6年生です。まもなく卒業となる2017年です。
参加者からは30通の感想が寄せられました。一部紹介します。
・先生のお話しは、自らを振り返り、子どもと向き合い、ご自身と向き合っている様子と気持ちが伝わりました。震災から6年になります。子どもの心の復興、大人の心の復興に向けて少しずつ、少しずつ希望に向かうよう私たちができることを取り組んでいきたいと思います。
・大変な出来事、たいせつな生命、とてもつらかった6年間だったことでしょう。よく勇気を出されて思いを伝えていただいたと心に留めました。一生背に重みを抱いて生かされていくことと思います。私も被災校の責任者として同じように歩みを進めたいと思います。
・本日、公の場でお話しするには、どんなにか勇気が必要だったのではないかとお察しします。先生方の思いの深さを改めて感じることができました。先生方が前向きに保育に取り組むこと、子どもたちと共に笑顔でいられるよう、陰ながら応援しています。
・卒園児の親です。幼稚園を建てていただきありがとうございました。親子共々ふじ幼稚園の卒園生となれたことを感謝しています。あの日のこと、いろいろなことを先生方といっしょに忘れないで、今があることに感謝していきたいと思います。
・あの震災から今日までのご苦労をうかがい、胸が痛みました。亡くなられたお子さんたち、先生のことを忘れてはいけないと思いました。子どもたちは未来です。子どもたちが元気になるということは、その子どもたちに関わるまわりの人々が元気になるということです。これからも子どもの心に寄り添い、あたたかな未来を育ててください。私も身近なところから未来を育てたいと思います。
東日本大震災〜あの時のこと、これからのこと
講演会会場の様子
あの年生まれた子は5歳になりました